2D静電界シミュレータ(ElecCat)#

ブラウザ上で動作する2D静電界シミュレータです。
利用規約にご理解頂き、下記のボタンから起動してください。
(はじめての方は、下のサンプルデザインから開いていただくと良いかと思います。)

サンプルデザイン#

クリックすると、デザインが開きます。
(新規ウインドウで開くことを推奨)

デザインの共有
本ツールは「共有リンク」ボタンにより、デザインを埋め込んだURLを発行できるようになっています。 面白いデザインを作ったら、ぜひSNSなどで共有してください。 このサンプルデザインのリンクもこの機能を利用しています。

2D静電界シミュレータで遊ぼう#

初めて電界シミュレータを触る人のための、電界と仲良くなるガイド。

1. 静電界シミュレータElecCatの起動#

このページ上部のボタンから、シミュレータを起動します。別ウインドウで開いておくと良いでしょう。

2. グリッド/セルの設定#

現実のモデルを考えない場合には基本的にはそのままで良いですが、グリッドを160x120程度にしておくと画面が広くなり遊びやすくなります。

また、「境界条件」は「解放(Float)」にしておきます。これはキャンパス外に無限に広がっているとするモードです。「固定0V」は、キャンパスの端が0Vに固定されている(アースされた箱の中でシミュレーションする)とするものです。

現実の寸法を考慮する場合、セルサイズが1グリッドあたりの寸法となります。標準は0.5mmです。

なお、本ツールは二次元なので、奥行は無限に続いているものとされます。

3. 電極の配置#

「描画ツール」から「電極」を選択し、「四角」ツールを使って電極を描きます。 電圧はプリセットからも選べますが、ここでは5000Vに設定して、横長の電極を上に描きます。

また、0Vの電極を下に同じ長さで描いてみます。

これにより、等電位線が描かれます。等電位線は標準で画面中20本が描かれるようにオートレンジで調整されます。

4. 電界強度の確認#

「表示モード」を「電界強度|E|」に設定すると、電界がカラーマップで描かれます。

当然、対向電極間の電界が強くなりますが、それとは別に電極の角に電界強度が集中していることが分かります。 物体は尖った部分に電界が集中するため、もし放電するとしたらまずは角が危なそうだということがここから判断できます。電極の角を丸くしたり、形状を工夫することで角部の電界強度を弱くして、放電リスクを小さくすることができます。

5. 絶縁体(誘電体)の追加#

このままでは空間の放電の可能性がありそうなので、電極の間に絶縁体（ここではPTFE(テフロン)）を入れてみましょう。

「描画ツール」から「誘電体」を選択し、プリセットからPTFEを選択して電極の間に配置しています。

電界の強さは変わりませんが、PTFE(テフロン)は同じ電界強度であっても絶縁破壊(放電)しにくいため、放電対策になります。

6. 絶縁体に空間を作成#

先ほどの絶縁体を電極間に挿入したことで、絶縁体自体の材料性能により同じ電界強度でも放電しにくくなりました。 しかし現実には、隙間なく電極と絶縁体を密着させるのはなかなか困難です。空気の微妙な空間が空いてしまったり、あるいは接着剤などの別の誘電率を持つ素材が薄く挟まってしまいます。

ここでは、わかりやすいように下記のように絶縁体(PTFE)の真ん中あたりに隙間を作ってみます。

「誘電体」のプリセットから「Vacuum (1)」を選択して、四角ツールで隙間を描きます。 （空間は誘電率1で満たされているため、誘電率1で上書きすると消しゴムの役割があります）

誘電率の異なる隙間を作ったことで、等電位線が隙間に集中している様子が分かります。 ここで再度電界強度を見てみましょう。

すると、隙間の電界強度が極端に上がってしまっていることが分かります。 現実には放電を抑えるために絶縁体を入れたにもかかわらず、微妙な隙間に電界が集中して、逆に放電しやすくなるということが起こります。これは、「三重点(Triple Junction)」などと呼ばれる現象です。