2D熱伝導シミュレータ(ThermoCat)#

ブラウザ上で動作する2D静熱伝導シミュレータです。
利用規約にご理解頂き、下記のボタンから起動してください。
(はじめての方は、下のサンプルデザインから開いていただくと良いかと思います。)

2D静熱伝導シミュレータ ThermoCat

ThermoCat Scren

サンプルデザイン#

クリックすると、デザインが開きます。
(新規ウインドウで開くことを推奨)

デザインの共有
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チュートリアル:2012チップ抵抗の温度上昇#

初めて2D熱伝導シミュレータを触る人のためのチュートリアル。

1. 熱伝導シミュレータThermoCatの起動#

このページ上部のボタンから、シミュレータを起動します。別ウインドウで開いておくと良いでしょう。

2. グリッド/セルの設定#

現実のモデルを考えない場合には基本的にはそのままで良いですが、グリッドを160x120程度にしておくと画面が広くなり遊びやすくなります。

また、「境界条件」は「解放(断熱)」にしておきます。「固定25℃」は、キャンパスの端が強制的に25℃(室温)に固定されている(水冷ボックスの中でシミュレーションするようなもの)とするものです。

現実の寸法を考慮する場合、セルサイズが1グリッドあたりの寸法となります。標準は0.5mmです。

電磁界シミュレータは、2Dのため奥行が無限に深いものとして考えましたが、本熱伝導計算では現実の電力単位Wなどから上昇温度を計算したいため、物体の奥行を制限しています。標準では1mmとなっています。

今回は抵抗や基板の断面を見ながら計算します。奥行は2012抵抗に合わせて「1.2mm」にしておきます 。また、セルのサイズは「0.1mm」に設定しておきます

3. チップ抵抗本体のモデリング#

チップ抵抗はアルミナセラミックのブロックでできており、その上の面に薄く抵抗体がある構造です。

まずはチップ抵抗のセラミックベースを描きましょう。「描画ツール」から「物質」を選択し、プリセットから「AlumCeramic」を選択して熱伝導率を200[W/km]に設定します。

つぎに「四角」モードにして、横20セル、高さ5セルくらいのボックスを描きます。2012サイズ抵抗は幅が2mmであり、今セルの設定は0.1mmになっているので20セルの幅で2mmとなります。

抵抗セラミックの配置

4. チップ抵抗抵抗体のモデリング#

先ほど描いたセラミックベースの上に、高さ1セルの薄い発熱体(抵抗体)を描いていきます。

発熱体は抵抗上面いっぱいに配置されていると仮定して、幅20セル、高さ1セルで、合計20セルの発熱体を描きます。今回抵抗の電力は1/10W(=0.1W=100mW)としてみます。 これをモデル化する際、20セルで0,1Wなので、\( 0.1W \div 20cell = 0.005W/cell \)となります。

描画ツール」から「発熱」を選択し、0.005W/セルと入力したうえで、先ほどのセラミックの上に高さ1セル、幅20セルの薄い発熱部を配置します。

抵抗体の配置

ここで初めてシミュレーション空間に熱エネルギーが配置されました。 マウスカーソルで情報を拾う、もしくは表示モードを温度分布に設定してを温度を確認すると、300℃を超えています。これは空気の対流で冷却しきれない為です(今1/10W電力が供給されている抵抗が空気中に浮いている状態)。

5. 基板(FR-4)のモデリング#

描画ツール」の設定を「物質」に戻し、プリセットから「FR-4」(一般的なプリント基板材料)を選択して、抵抗の下に描きます。抵抗と基板は完全に密着しないので、1セル分開けておきます。

この状態で温度分布を確認すると、チップ抵抗は基板の温度を上昇させてはいますが、放熱はできていないようです。(FR-4材は放熱性には優れない)

FR-4材の追加

6. はんだでチップ抵抗と基板を接続#

描画ツール」の設定を「物質」に戻し、プリセットから「Solder」(はんだ)を選択して、チップ抵抗両端と基板(FR-4材表面)を接続します。

はんだの追加

はんだで基板と抵抗の発熱体が接続されたことで、放熱ルートができ、抵抗の温度が若干下がりました。

7. 基板表面の銅箔パターンのモデリング#

描画ツール」の設定を「物質」に戻し、プリセットから「Copper」(銅)を選択して、基板(FR-4)の表面に銅箔パターンを追加して、はんだ部と接続します。銅の厚さは1~2セル(35~70μm)程度で良いでしょう。

銅箔パターン追加

これで、温度分布やカーソル情報を使ってチップ抵抗の温度を確認してみると、50℃以下に下がりました(現実的にも妥当な温度だと思います)。 これら結果から、チップ抵抗の主な放熱ルートはプリント基板上の銅箔パターンであることが分かります。

銅箔パターンによる放熱

このままプリント基板の裏面(他層)に熱を逃がすサーマルビアなども検討することができるでしょう。

これら考え方を応用して、ICの発熱やヒートシンクによる効果などをシミュレーションすることができます。

注意! 実際の温度上昇について

本ツールは電磁界シミュレータ(MagCat/ElecCat)の流れで制作されていますが、熱伝導シミュレータの異なるところは空気の対流による冷却が存在することです。この効果がないと、無限に温度が上昇してしまいます。 本ツールでは「ニュートンの冷却法則」を(私が勝手に)かなり簡略化したものを利用しており、そのパラメータを「冷却係数」で指定できるようにしています。ところが、この係数はそれらしい値を選んではいますが根拠はありません!!

このことを踏まえて、本ツールは正確な温度そのものを得るものではないことをご承知おきください。

(高価な商用ツールで同じシミュレーションをするとどんな結果が出るのでしょうか。大きく違わないとは思いますが)